日本固有の品種である小公子を比較すると、メゾンによるつくりの違いが見えてきました

日本固有の品種である小公子を比較すると、メゾンによるつくりの違いが見えてきました

奥出雲ワイン 小公子 2020 と 大山ワイナリー 郷 2016 を比較試飲しました。

ビンテージは違うもののどちらも日本の山陰地区のワイナリーで、

日本の固有品種である小公子を使っています。

 

奥出雲ワイン 小公子 UNWOODED 2020

製造元:奥出雲葡萄園

アルコール度数:12%

外観:紫がかったルビーレッド

香り:甘やかなイチゴ

味わい:若々しくやわらかなタンニンと酸のバランスがとれていて、

    おだやかなアフターが長く続きます。

UNWOODED(アンウッデッド)とは、木樽を使わず、

ステンレスタンクで発酵・育成を行っているという意味です。

メーカーによると、低温短期間醸しでフレッシュ感のある、

優しい口当たりのワインに仕上がっているとのことです。

毎年ファンの方が増えており、近年では事前に予約をしておかなければ手に入らないほどの人気ぶりです。

髭男爵のひぐち君が主催するひぐち君の日本ワイン会で取り上げられてたのも、

ファンが増え来ている要因の一つです。

 

大山ワイナリー 郷 2016

製造元:大山ワイナリー

外観:紫がかったルビーレッド エッジがやや茶色がかり始めている

香り:野性味のあるラズベリー

味わい:アタックに黒系果実のニュアンスがあり、タンニンが力強い。

収穫時期となる8月は好天に恵まれ糖度が23度まで上がった小公子を100%使用した赤ワインです。

メーカーによると、スパイシーでありながらやわらかな酸味を楽しめるとのことです。

 

同品種とは思えないほど香りに違いがあり、

たとえるなら、奥出雲ワインは着飾った田舎の貴族、

大山ワイナリーは野性味ある男性といった感じでしょうか。

 

合わせる料理も奥出雲ワインならややさっぱりしたサーモンのステーキ、

大山ワイナリーなら鶏肉のステーキ等があうのではないでしょうか。

 

奥出雲ワイン 小公子 UNWOODED 2020は、フレッシュなみずみずしさが爽やかに感じられ、

大山ワイナリー 郷 2016は、5年ほど熟成したふくよかさに山ぶどうらしい力強さがあります。

同品種でもメーカーによる味わいの違いに加え、

ヴィンテージによる違いも味わうことができます。